勉強時間を何とか絞り出したものの、手に負えない科目もあった。「ファイナンスのための統計学」という授業だ。レジュメがすべて英語で、Rという特別な統計ソフトを使う。毎週、Rを使った課題が出され、これを確実にこなさなければならない。エクセルしか使えなかったおじさんにとってはかなり厳しいものがあった。

「ファイナンスのための統計学」はファイナンスで著名なT先生の授業だ。当初、定員オーバーとなる盛況ぶりだったが、あまりのエグさに3回目の授業時には半減するという事態(どうも毎年そうらしい)。それでも、授業が終わると同期で勉強会という口実で飲み会へいったりと(当然タクシー帰宅(涙))、エグさの中にも楽しさありという日々だった

T先生の「ファイナンスのための統計学」は最終日に筆記試験がある。平均4割程度の正答率というハイレベルな問題だと先生は言う。統計学は入学前にがっつり勉強していたので自信があったが、試験はボロクソで6割程度しか解けなかった。T先生は個人的にも好きな先生だったこともあり、どこかでリベンジしてやる(T先生の別の授業で好成績を残して見せる)と誓った。