WBS(早稲田大学院ビジネススクール)の試験は、大学受験のように「できた!」という手ごたえを得られる試験ではなかった。言ってみれば論理的思考力の確認が目的のようだ。この試験だけで合否を判断するのは難しいのではないかと感じた。だとすると一次試験の合否は、大学時代の成績、今後の研究計画、志望動機なども併せて総合的に勘案してふるいにかけているのではないかと思う。

 

一次試験は合格。合格率は1/3程度らしい。次は二次試験での面接だ。O君によれば、二次面接では1、2割が落ちるらしい。気は抜けない。 二次試験は15分間の面接だ。当日、大教室に受験生が集められるのだが、何か違和感を感じる。そう、私以外、びしっとスーツで身を固めていたのだ。男性は当然ながらネクタイをしている。私はといえば、デニムパンツ&長袖丸首Tシャツに、よれよれのジャケット姿。周囲の受験生たちからの視線が痛かった。大学院の二次試験面接はスーツでなければならないという理由はないはずだ。大学院はスーツじゃなくて僕自身の中身を見ることが目的のはず。もしスーツじゃないから不合格ということなら、そんな大学院はこちらから願い下げだ。そう言い聞かせながら、自分を落ち着かせ順番が来るのを待つ。

自分の番が巡ってきた。面接官は二人。一人や優しそう、もう一方は眼光鋭く斜に構えたおじさまだった。まずは優しそうな方から志望動機について聞かれる。「不動産価格予測について研究し、精度の高いモデルをつくり社会に貢献したいです」と爽やかに回答。幸先良いスタートだと思った。