次は眼光鋭いおじさまから質問。

「あなたの研究計画、同様の論文が多数あると思うけど、何本くらい読んだ?で、それについてどんな批判的見解を持ってます?それと、計画書に書いてある最尤法について説明してください。」

えええーっ!?何て答えりゃいいのよ。同様の論文なんて読んでないし、最尤法なんて大学時代にちらっとやったくらいで、この場で説明できるはずもなく。とりあえず正直に回答。しかし眼光鋭いおじさま、矢継ぎ早に理解不能な専門用語を連発して質問してくる。ここも正直に「全くわかりません」と回答。

僕の能力では回答不能な質問責めが続き12分ほど経過。

悔しかったので「いただいた質問については、合否に関係なく3月末までに一言で回答できるようにしておきます。他にご質問は?」と高らかに言い切る。するともう一人の面接官からと救いの手が差し出される。

「こんな専門的な質問ばかりですみませんね。あと3分しかないので最後に一つ。仕事しながら学ぶのは相当苦労すると思いますが、乗り切れる自信はありますか?」

と、もう一人の面接官から。

「自信あります!」と再び高らかに宣言した僕。これで15分の面接が終わった。

面接が終わると、「あーあ、やってしまった・・・」と激しい後悔念が僕を襲う。少々キレ気味に「他にご質問は?」と発してしまったのだから。帰りはあえて遠回りし、都電早稲田から町屋駅前まで揺られながら、「合否は単なるご縁」と割り切るよう自分に言い聞かせた。